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        世界を目指しての旅行記ほか by カズ@憧れの大地 

世界への旅(旅行記)

中国・天津―大連

  燕京号・1 ~大海原を行く

2001年2月16日

正午少し前、神戸発天津行きの船・燕京号が、 大きな汽笛を鳴らした。
旅に出る日本人、母国に帰らんとする中国人、そして、私のように、
燕京号
燕京号(神戸のポートターミナルで)
中国に夢を追いかけて留学に出発する日本人――そんな人々のそれぞれの思いを乗せながら、船は岸壁から静かに離れていった。
出港する船の甲板の上で、中国人の男性が「君はどこへ行くんだ」と尋ねてきた。
「大連の東北財経大学へ語学留学へ行きます」と、私が中国語で返すと、彼は「中国語うまいじゃないか。留学なんて必要ないんじゃないか」と笑って言ってくる。
――いや、そういう訳にはいかない。自分の中国語力に不満があって、留学を決めたのだから
そう、私の今回の渡中目的は、いつもの観光とは違う。若気の至りで会社を辞めることまで決意させた留学である。
目指す街は、大連。成田や関西からなら、飛行機であっという間に行くこともできるのだが、今回は時間的に余裕もあったし、今まで船で中国へ渡ったことがなかったため、船で行きたいと思った。ちょうど、天津から大連へ隔日で直行の船が出ており、乗り継ぎが便利なこともあって、燕京号を利用することにした。
船はゆったりと、瀬戸内海を進んでいく。船内で知り合った、北京語言学院へ留学するという木村君という27歳の男性と、留学談義に花を咲かせながらも、ついつい
瀬戸大橋
瀬戸大橋の下をくぐる燕京号
「暇ですねー」という言葉が口をついて出てしまう。
確かに、船旅は、安くて手軽なのがいい。しかし、時間がかかるので、何かすることを見つけないと、どうしても暇をもてあましてしまう。
出港から4時間。ようやく瀬戸大橋を通過した。旅はまだまだ、これからだ。
あたりも暗くなって、景色も楽しめなくなった夜、私と木村君は船内のバーへと繰り出した。カラオケもあって、夜の暇つぶしにはうってつけの場所だ。
初めのうち、客は私たち2人だけだったが、やがて天津理工大学へ留学するという日本人女性2人組や、中国へ帰国する女性たち、そして船員らで、次第に店はにぎやかになっていった。
あまりウロウロできない飛行機の中のあの狭いスペースに比べて、船の旅は広々とした開放感がある。 各種施設やアミューズメント、ゆったりとしたベッドなど、生活環境も充実していて、飛行機には無い快適感がある。
私はこの船旅に、いつしか満足するようになっていた。

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