世界への旅(旅行記)
> 中国・山東(1)
微山湖 ~ちょっとしたトラブル続く
曲阜の観光を終えて、ホテルの喫茶室でコーヒーを飲んで一息入れた。服務員の女性が、コーヒーポットを片手に近づいてきて「もう一杯いかがですか?」と尋ねてくるので、何人かがおかわりをする。
とりとめの無い話をしながら、30分程が過ぎた。さて、決算――と、請求された金額を聞くと、150元以上もするではないか。
「そんな、7人がコーヒーを飲んだだけだぞ。そんなに高いはずがないじゃないか」
私たちが抗議すると、彼女は「あなたたちはコーヒーのおかわりをしたのだから、2杯分を請求しているのではないですか」との答えを返してきた。
「そんな馬鹿な話があるか。こういう場合普通、おかわりは免費(ただ)でしょう?」
「そんなこと言っても、それが規定(決まり)ですから」
互いに自分たちの言い分を譲ることなく、ついには老師も巻き込んでの騒動になってしまったが、結局、老師らになだめられて、請求された通りの金額を払わされてしまった。
納得しきれない結果に終わったが、ここは日本でも大連でもないのだ。中国は広い。まだまだ“文明”になり切れていない場所だってあるだろう。「所変われば品変わる」ということも、多々あり得ることだ。
2001年5月1日
この日は午前から、曲阜から南西に離れた所にある微山湖を散策した。泰山で自然を、曲阜で文化を満喫して、再び自然の中に身を投じた。![]() |
| 微山湖(俯瞰) |
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| 微山湖面を行く小船 |
それから、この湖には、余り観光地化されていないためなのか、どこか素朴な雰囲気が残っている。湖面を小船がのんびりと行く光景なども、牧歌的で古き良き中国を感じさせてくれる。
(え、なぜだろう…)
何気なく目をやった看板に書かれた文字を見て、私たちはその理由を悟った。
そこには、小さな文字ではあったが「抗日闘争」と書かれていたのだ。
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| 微山湖の抗日闘争記念碑 |
老師たちがここを観光コースに選んだのも、日中の友好を深めるにせよ、私たちにそうした歴史を忘れないで欲しい、との思いが込められていたのではないか。
「友好を深めよう」と言葉にして言うだけならたやすいことだ。私たち留学生に求められているのは、こうした事実を真摯に受け止めた上で、日中友好のために何かをしていくこと、なのだろう。
この島には他にも、古代殷王朝最後の王で暴君として知られる紂王を、諌め切れずに死んでいった、孔子の祖先に当たる人物を祀った廟もあった。
昼食は、島の大部分を占める農村の真ん中で。緑とおいしい空気の中で、料理と酒に舌鼓を打った。
しかし、恐らくはその食事が原因で、この後、再びちょっとしたトラブルが発生した。
帰りのバス(いやパトカー)の中で、私1人が急に、腹痛と胸やけに襲われた。他の皆は何ともなさそうなので、初めは、私1人が白酒(バイチウ)を飲んでいたこともあって、単なる飲み過ぎかと思っていた。
しかし、その後私を襲った吐き気と下痢――これは以前、北京から日本へ帰る飛行機の中で襲われたあの時の症状と、全く同じだ。
間違いない。食中りだ。
この日の夜は、現地の人たちの誘いを受けての大宴会だったというのに、お陰で料理も酒も、満足に味わうことができなかった。



