世界への旅(旅行記)
> 中国・雲南、貴州
喜洲 ~偶然出合った素晴らしき光景
2002年1月28日
大理古城から北20kmほどの所に、喜洲という街がある。小さいが、昔ながらのペー(白)族の街並みが残っている味わい深い街だ。中心部にある厳家院では、ペー族の建物を味わうことができるばかりでなく、ペー族の民族舞踊や三道茶を楽しむこともできる。
喜洲は洱海に比較的近い。前日に間近から見ることができなかったので、ほとりまで行ってみることにした。
広々とした田園地帯をぬって歩いている道中、自転車に乗った老人が声をかけてきた。身なりで観光客と分かり、しかもこの道を歩いているとなると目当ては湖だ、と分かったようである。
「湖に行くなら、あそこの道を左だ。間違えると湖に着かないよ」と、親切に教えてくれた。
しばらく彼と話しながら歩く中、私は老人に尋ねた。「あなたは、ペー族ですか?」
「そうさ、生粋のペー族だよ!」
胸を張ってそう答えた彼の姿は、自らの民族に対する誇りそのものだった。
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| 厳家院 | 喜洲の街並み |
広々とした田園地帯をぬって歩いている道中、自転車に乗った老人が声をかけてきた。身なりで観光客と分かり、しかもこの道を歩いているとなると目当ては湖だ、と分かったようである。
「湖に行くなら、あそこの道を左だ。間違えると湖に着かないよ」と、親切に教えてくれた。
しばらく彼と話しながら歩く中、私は老人に尋ねた。「あなたは、ペー族ですか?」
「そうさ、生粋のペー族だよ!」
胸を張ってそう答えた彼の姿は、自らの民族に対する誇りそのものだった。
1時間歩いて、湖畔にたどり着いた。
洱海は確かに広大な湖だ。しかし、ここ1年で青海湖、太湖など幾つもの湖を見てきた私にとっては、
さほど目新しいものでもない。この日のメーンイベントは、この後訪れた。
洱海は確かに広大な湖だ。しかし、ここ1年で青海湖、太湖など幾つもの湖を見てきた私にとっては、
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| 洱海のほとりで農作業をするペー族 |
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| ペー族の婚礼 |
喜洲の街中へ戻ろうと来た道を歩いていると、何やら賑やかな音が聞こえる。視線の向きを変えてみると、そこには鮮やかな民族衣装をまとったペー族の姑娘たちが、大勢でどこかへ行こうとしていた。
(何かがありそうだ)
直感的にそう感じた私は、彼女たちの後を追ってみた。
姑娘たちは、湖畔のとある四合院(庭を囲むようにして建てられた数件の民家)に入っていった。四合院の庭には大勢の人が集まっていて、柱には金色の文字か書かれた赤い紙が貼ってある。
門から中をのぞいていると、1人の男性が「食事をしていくかい?」と誘ってくる。そう言えば昼食がまだだった。私は民家の屋上に案内されて、民族衣装に身を包んだ姑娘たちに囲まれ、洱海を眺めながら、昼食を呼ばれた。
食事をしている間にも、庭はますます賑やかになり、門前では爆竹が激しい音を響かせる。何が始まろうとしているのか――既におおよそ、見当はついていた。
(何かがありそうだ)
直感的にそう感じた私は、彼女たちの後を追ってみた。
姑娘たちは、湖畔のとある四合院(庭を囲むようにして建てられた数件の民家)に入っていった。四合院の庭には大勢の人が集まっていて、柱には金色の文字か書かれた赤い紙が貼ってある。
門から中をのぞいていると、1人の男性が「食事をしていくかい?」と誘ってくる。そう言えば昼食がまだだった。私は民家の屋上に案内されて、民族衣装に身を包んだ姑娘たちに囲まれ、洱海を眺めながら、昼食を呼ばれた。
食事をしている間にも、庭はますます賑やかになり、門前では爆竹が激しい音を響かせる。何が始まろうとしているのか――既におおよそ、見当はついていた。
食事を終え、庭に降りてしばらくすると、スーツをまとった1人の男性が現れた。胸には「新郎」と書かれた布がさがっている。
やはりそうだ。婚礼である。
新郎が建物の少し奥まった所の椅子に腰掛けたところで、民族衣装の若者たちの舞踊が始まった。ペー族の伝統舞踊は、先ほど厳家院でも見てきたばかりだ。しかし、ここで行われている踊りは、観光客目当ての表演ではない。地元の人の喜事を祝う、心のこもった踊りだ。ぎこちなさは感じられるものの、彼らの踊りはとても生き生きとしていた。
踊りが終盤にさしかかったところで、新郎が突然、周囲にいる人々に向かって土下座をはじめた。どのような意味があるかは分からない。ペー族の、あるいは中国人の婚礼の風習なのだろうか。
踊りと歌の披露が終わったところで、客人たちは三々五々、引き揚げていった。
(おや、新婦は?)
婚礼のもう1人の主役が姿を現していない。後から来るのか、この日は新郎の披露だけなのか――いずれにしても、ここから先は余所者はお呼びではなさそうだ。新婦を見られないのは残念だが、私もそこで引き揚げることにした。
やはりそうだ。婚礼である。
新郎が建物の少し奥まった所の椅子に腰掛けたところで、民族衣装の若者たちの舞踊が始まった。ペー族の伝統舞踊は、先ほど厳家院でも見てきたばかりだ。しかし、ここで行われている踊りは、観光客目当ての表演ではない。地元の人の喜事を祝う、心のこもった踊りだ。ぎこちなさは感じられるものの、彼らの踊りはとても生き生きとしていた。
踊りが終盤にさしかかったところで、新郎が突然、周囲にいる人々に向かって土下座をはじめた。どのような意味があるかは分からない。ペー族の、あるいは中国人の婚礼の風習なのだろうか。
踊りと歌の披露が終わったところで、客人たちは三々五々、引き揚げていった。
(おや、新婦は?)
婚礼のもう1人の主役が姿を現していない。後から来るのか、この日は新郎の披露だけなのか――いずれにしても、ここから先は余所者はお呼びではなさそうだ。新婦を見られないのは残念だが、私もそこで引き揚げることにした。
<後日談>
この話を留学先の大連で相互学習相手の女子学生に話したところ「そういう場では新婦は顔を出さないものなのよ」とのことだった。
この話を留学先の大連で相互学習相手の女子学生に話したところ「そういう場では新婦は顔を出さないものなのよ」とのことだった。
偶然とはいえ、素晴らしい光景に出合うことができた。先日、昆明の民族村でペー族の婚礼の表演を見ることができなかった時は残念に思ったが、もうどうでも良くなった。本物に勝るものは無いのだから。
ちなみに、この日は私の誕生日。旅先で最高の贈り物を受け取ることができた。
ちなみに、この日は私の誕生日。旅先で最高の贈り物を受け取ることができた。




