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        世界を目指しての旅行記ほか by カズ@憧れの大地 

世界への旅(旅行記)

中国・黄山、江西、福建

  南京―黄山 ~バスが無い!

2002年4月27日

前日正午に工事中の大連駅を発った列車は、この日午前、南京駅に到着した。
半年前の無錫―合肥間の移動の時と同様、今回も時間の都合で南京は通過するだけだ。 私は黄山に行くべく、市内バスで長距離バスターミナルへと向かった。
道中、右手に玄武湖が見える。留学先で使用している教科書によると、この湖は近年、汚染がひどく、既に“汚水池”の状態だという。魚の死体が大量に浮かんだこともあるそうだ。11年前、ここを訪れた時はそこまでの汚れは感じ取れなかった。現在も、遠目に見ているだけなのでよく分からない。ただ、空気の汚れは以前よりもはっきりと感じられる。環境汚染――対策が立ち遅れている開発途上国が抱える、大きな問題だ。

さて、バスターミナルに着いたところで、黄山行きの切符を買い求めようとしたが、時刻表にも、窓口にも「黄山」の2文字は見当たらない。南京には大きなバスターミナルが3つある。どうやら別の場所らしい。私は再びバスに乗り、駅の比較的近くにあるターミナルに移動した。しかし、ここでも黄山行きのバスは見つからなかった。もう1つのターミナルは街中にある。そちらに向かう前に、駅で列車がないかどうか、確認することにした。
列車の場合、当日の座席指定は買い求めることが難しく“無座”しかないことが多い。南京から黄山までは7時間かかる。無座だけは避けたいところだが、やはり座席は無さそうだった。しかし、切符の販売状況の電光掲示を見ていた私の目に、少々大げさに言えば“天の助け”とも言えるような文字が飛び込んできた。

2239 黄山 軟臥 有

2239次の列車は南昌行きで、南昌までの硬座・硬臥はいずれも売り切れていたのだが、南京―黄山間の軟臥はまだ残っていたのだ。恐らく、黄山からの乗客があるのだろう。
確かに軟臥は高いのだが、それでも98元と、大連―瀋陽間の豪華バスと同じ値段だ。それに、翌日は黄山に登る予定なので、余計な体力消耗は避けたい。私は迷うことなく、切符を求める人々の列に並び、軟臥の切符を購入する道を選んだ。

12時30分、列車は南京を出発した。軟臥とはいえ、列車は旧式のタイプ。頭上のスペースこそゆとりがあるものの、ベッドの質は最新式の硬臥と同等だ。同じコンパートメントには観光ではなく出張で、やはり黄山に向かう男性の乗客がいたが、特に会話をすることもなく、互いに淡々と時間を過ごしていった。
行程の半分を過ぎたあたりで、コンパートメントの扉をノックする音がする。中に入ってきたのは、旅行社の職員だった。私たちが黄山で下車することを知って来たようである。彼は私たちに、黄山ツアーとホテルを紹介してきた。私は勿論、出張で関係の無いもう1人の乗客も、興味深げに彼の話に耳を傾けた。
彼の紹介するホテルは1泊240元。これは少々、高すぎる。私が渋い表情をすると、彼は「100元でいい」と、思い切ったディスカウントを提示してきた。ホテルはこれで決まった。あとはツアーの話だが、私はやはり、自分のペースで、自分の好きなように歩きたい。私がそう話すと、ホテルの客を確保できただけで良しとしたのか、彼もそれ以上は勧誘してこなかった。

車内販売の弁当で夕食を済ませ、さらにしばらく列車に揺られていると「間もなく黄山」のアナウンスが流れてきた。私ともう1人の乗客が荷物を整えて下車の準備をしていると、列車員がやって来てベッドメーキングを始めた。
「黄山で、またお客が乗ってくるのでね」――やはり、そういうことだった。

午後8時23分、黄山着。駅からは旅行社が用意したマイクロバスで、市街地から少し外れた所にあるホテルに向かった。しかしその道中、急に胸がむかむかとしてきた。チェックインして部屋に入るや否や、トイレに直行。そのまま嘔吐した。
どうやら、列車内で食べた弁当が悪かったらしい。旅を始めて早々、食中りだ。手持ちの薬を飲んで、そのまま就寝――明日の黄山登山に影響しなければいいが。

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