世界への旅(旅行記)
黄山後山 ~“幽玄”どころではない霧
2002年4月28日

一時は登山を危ぶまれたものの、吐き気は一晩で収まってくれた。午前6時、ホテルの部屋を出発。ホテルの前から出ていたバスで、予定通り登山すべく黄山風景区に向かう。
黄山は、この年の冬休みに訪れた大理同様、観光地と中心街が2つに分かれている。私が宿泊した場所は、後者の屯渓という地域。風景区までは自動車で1時間ほどの距離だ。また黄山の登山口も、前山の入り口である慈光閣(地図(1))と、後山入り口の霊穀寺(地図(2))の2つに分かれている。一般的なのは前山から入るルートだが、私が乗ったバスは慈光閣からさらに奥に入った霊穀寺まで走った。バスの出発が遅かったり、途中で別のホテルに幾つも寄って客を乗せたりで、黄山の登山口には9時になってようやく到着した。
入場料は、学生料金で55元。中国随一の名所だけあって、かなり高い。麓から見上げる黄山は、霧に覆われている。眺めは余り良くないかも――嫌な予感を感じつつも、私は「五岳を見れば他の山は見る気になれない、黄山を見れば、五岳すら見る気になれない」とまで言われる名山の山門をくぐった。
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| 後山唯一的好景点 |
道中、うっそうとした木々の中から生えるようにしてそびえる岩が、左手に見えてくる。頂には松の木が生えていて、これぞ黄山、という景色だ。
しかし、そんな浮き立った気持ちは、次第に疲労感に蝕まれていった。行けども行けども、単調な上り坂が続くばかりだ。山登りをしているのだから坂道は当たり前なのだが、このルートには疲れを癒してくれるようないい景色が少ない。霧で遠くが見えないせいもあったのかもしれないが、木が生い茂っているばかりの印象だ。先程見た岩が唯一見るに値した、と言っても過言ではない。
(このルートは、わざわざ歩く必要も無かったな)
私はロープウエーを使わなかったことを後悔した。
山道を歩くこと2時間。ようやく白鵞嶺(地図(3))に到着。ここからしばらく、坂はゆるやかになる。ロープウエーから降りてきた日本人団体客の声が、疲れた私の気分を少しほっとさせてくれた。
白鵞嶺から北海景区へと向かう道中、黒虎松という松の木がある。黄山には松が多く、その景色を特徴づける要素となっているが、この松は虎に似ている(らしい)見事な姿から、黄山でも2番目に有名、という地位を得ている。松は日本人にとっても馴染みの深い樹木だ。先程の日本人団体客がその前で、休憩がてら盛んに記念写真を撮っている。
それにしても、霧は一向に晴れる気配が無い。霧も黄山名物で、時として幽玄の世界を演出してくれるのだが、これだけ濃いともはや“幽玄”の域を通り越して、邪魔なだけだ。香港のビクトリア・ピークにしろ泰山にしろ、私はどうも霧にたたられることが多い。とはいえ、天気には勝つ術が無い。楽しめる範囲で景色を楽しみながら、前山と後山の境目に当たる北海賓館(地図(4))に到着した。黄山は、私がやったように日帰りも可能だが、ここで一泊して御来光を見るというのも、一般的によく行われている楽しみ方だ。
売店で買ったカップ麺で昼食を済ませた後、獅子峰や猴子観海などを楽しみがてら、前山への道を探した。しかし、手元の地図(ガイドブックのコピー)を基に進んでみても、行き止まりにぶつかるばかりだ。
(道に迷ったか?)
白鵞嶺から北海景区へと向かう道中、黒虎松という松の木がある。黄山には松が多く、その景色を特徴づける要素となっているが、この松は虎に似ている(らしい)見事な姿から、黄山でも2番目に有名、という地位を得ている。松は日本人にとっても馴染みの深い樹木だ。先程の日本人団体客がその前で、休憩がてら盛んに記念写真を撮っている。
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| 黒虎松 | 霧にかすむ黄山 |
売店で買ったカップ麺で昼食を済ませた後、獅子峰や猴子観海などを楽しみがてら、前山への道を探した。しかし、手元の地図(ガイドブックのコピー)を基に進んでみても、行き止まりにぶつかるばかりだ。
(道に迷ったか?)



