世界への旅(旅行記)
泉州・1 ~国際都市の色彩
2002年5月3日
福州から南西へ約200km、バスで泉州に向かう。一般道を3、4時間かけて行くと聞いていたので、少し高めの豪華バスに乗ったのだが、このルートにもやはり、高速道路ができていて、僅か2時間で泉州のターミナルに到着した。![]() |
| 何とも奇怪な老君造像 |
ターミナル近くの景都大酒店に荷物を下ろして一休みした後、泉州の街巡りに出かける。
まず向かったのは、市街地の北に少し外れた所にある清源山。ここは、自然の風景もさることながら、宗教的な遺跡が多く残っていることでも有名だ。中でも有名なのが、山門をくぐってすぐに見えてくる老君造像である。切符売場で売っている切符が、この老君造像だけのものと山全体の通し券に分かれている位、有名な見どころとなっている。
老君というのは即ち老子のことなのだが、実在の人物ではないと言われているためか、この像は何とも奇怪に造られている。ひげの形、耳の形、半開きの口などが実に特徴的なのだが、私が一番奇異に感じたのは、黒目が無いことだ。老子という人物は、始終他人を“白眼視”していたとでもいうのだろうか。
私は山門で通し券を買っていたので、そこからさらに奥へと進んだ。しかし、
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| 開元寺の仁寿塔 |
清源山で道教の雰囲気を味わった後は、開元寺へ。唐代創建の、東西塔(鎮国塔、仁寿塔)などで有名な仏教寺院だ。時代を感じさせる、いい雰囲気の寺であることは確かだ。しかし、余りに落ち着きすぎていて、私の目には若干退屈にも感じられた。
この街で一番訪れたいと思っていた場所が海上交通史博物館だ。泉州は、かつて「ザイトン」の名で知られた、海のシルクロードの出発点たる港湾都市だ。この博物館では、ザイトンを中心に展開された海上貿易の様子や、その海上貿易の舞台上で活躍したジャンク船などの船が紹介されている。私の好きなコンピュータゲームに、船で欧州から東アジアに到る未知の世界を駆け巡るシミュレーションものがある。その中の主人公の1人である明海軍の女性司令官は、杭州と、そしてまさにこの泉州を拠点としている。中国の海運の歴史に思いを馳せると同時に、私は、仮想の世界とはいえ世界の海を舞台に、ジャンク船を操って活躍した中国人マリア・リーの軌跡に思いを馳せていた。
この博物館には海運に関する展示のほか、泉州の宗教石碑を一堂に集めた展示がなされている。
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| 海上交通史博物館 |
泉州には思いの外、見どころが多い。まだ午後2時を回ったばかりなので、このまま一気に街巡りをしたいところだったが、何分にも日差しが強く、暑い。清源山巡りを途中でやめたほど、体力に自信が無い状態で、このまま歩き回いては熱射病を引き起こしかねなかった。幸いにも、残りの見どころは、私にとっては寝床に定めたホテルからの徒歩圏内だ。私はいったんホテルに戻って、日差しが弱くなる夕方を待つことにした。



