世界への旅(旅行記)
龍勝―桂林―陽朔~バックパッカーの街
龍勝から桂林へ向かうバスの車窓からの景色は、3段階に分かれて変化した。
第1段階は、龍勝付近の光景。山間の狭い道を走る両脇に、棚田が見える。
光景だけなら平安や金坑の方が見事なのだが、地元民の姿がよく見えるという点で、
私はこちらの方が気に入った。
第2段階は、土の山に挟まれつつも先ほどよりも広くなった平地に、水田や柑橘畑が広がる風景だ。
第3段階は、桂林近くの岩山の風景。目指す地が近くなってきた。
次に向かったのは、陽朔。桂林から南へ65kmほど行った所にある街である。 前回桂林を訪れた際にも立ち寄ったことは立ち寄ったのだが、漓江遊覧の船に乗るためだけだったので、ほとんど印象に残っていない。今回の旅の主な目的は、南寧に到達するということのほか、この陽朔でのんびりと過ごすということもあったのだ。
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| バックパッカーストリート・西街 |
陽朔は「桂林よりも風光明媚である」という評判が広まって、外国人バックパッカーが大勢集まるようになった街だ。象徴的な場所が“バックパッカーストリート”とも言うべき西街である。幅数メートルの道路の両側に“Cafe”だの“Guesthouse”だのが数多く軒を並べている。中国的な土産屋も少なくないのだが、ここでは西洋の中に中国もある、といった印象が強い。
“バックパッカー魂”が復活した私は、宿も“バックパッカーの宿”の最たるもの・ユースホステルを目指した。しかし、さすがに国際労働節の連休中とあって満室で、ひとまずはユースの服務員に紹介された西街外国語学校のドミトリー(1泊50元)に泊まることにした。
さて、西街を抜けて漓江のほとりへ行くと、そこには国内外の游客を引き付けている美しい山水画の風景があった。漓江や奇岩だけなら桂林でも見られるのだが、向こう岸の岩の手前に見える青々とした木々は桂林では見られない光景だ。ここ陽朔では、より“自然な”漓江を楽しむことができる。
やがて、街の向こうに夕日が落ちていく。しかし、西街の明かりは消えない。否、日が落ちてからこそが西街の本領発揮である。特に、夜のCafeは昼間とは違った賑わいを見せてくれる。
Cafeにも2通りの系統がある。一つは落ち着いたレストラン風のもの、もう一つは賑やかなバー風のものである。昼間はどちらも大差ないのだが、夜になるとその違いは顕著になってくる。
落ち着いたレストラン風のCafeで欧風の夕食をとった後は、バー風のCafeで、生バンドの演奏を肴にグラスを傾ける。宿を安上がりなものにしているのに比べ、飲食には随分散財してしまったが、全てを貧乏に旅すること=バックパッカー、なのではない。節約できるとことは節約し、楽しむべきところでは楽しむ――これがバックパッカーなのだ。それがようやく、分かり始めてきた。
バーを出ても、土産屋の主人と游客が値引き交渉をし、道端で流しのバイオリン弾きが生演奏をしている。日付が変わる頃になっても、西街はまだまだ眠らない。
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| 陽朔の漓江 |
Cafeにも2通りの系統がある。一つは落ち着いたレストラン風のもの、もう一つは賑やかなバー風のものである。昼間はどちらも大差ないのだが、夜になるとその違いは顕著になってくる。
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| 眠らない西街 |
バーを出ても、土産屋の主人と游客が値引き交渉をし、道端で流しのバイオリン弾きが生演奏をしている。日付が変わる頃になっても、西街はまだまだ眠らない。
それにしても、マカオでも感じたことなのだが、中国好きの私が西洋的なものにこれ程引き付けられているのはどういうことなのか。
その答は、簡単だった。中国は、私を引き付けている物のナンバーワン(当時)に過ぎないのだ。ヨーロッパやインド、東南アジアを見聞したい気持ちはなお、私の心に強く存在する。
私にとって“憧れの大地”は、ユーラシアそのものなのかもしれない。



