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        世界を目指しての旅行記ほか by カズ@憧れの大地 

世界への旅(旅行記)

中国・週末旅行

  氷峪溝 ~遼南の桂林

2003年10月4日

今年の国慶節は初日に体調を崩し、泊りがけの旅行はできなかったが、4日目にしてようやくどこかに足を延ばそうと思えるまで回復した。さて、どこか日帰りで行ける所は無いか――ということで、白羽の矢が立ったのが氷峪溝だ。

氷峪溝は、大連中心街から200kmほど北東に行った荘河市(市とは言っても、行政区分上大連市に属する)
風景区への景観
入口から風景区への景観
からさらに30kmほど北に行った、鞍山市との境に近い場所にある、自然風景区だ。
大連からは、駅前の勝利広場発の直行バスがある。途中、高速道路を利用するので3時間程度で到着できる。

入口をくぐると、いきなり川面に遮られる。ここから船に乗って、メーンの風景区に行くのである。
船から見る川の両岸には、岩肌を露わにした氷河地貌の山がそそり立っている。ここ氷峪溝が「遼南の桂林」と呼ばれるのもうなずける。確かに、桂林での漓江の風景を彷彿とさせられる。

船を下りた後は、しばらく桟道を歩いて自然の眺めを楽しむ。山肌と木々のコントラストもいいし、水もまずまずきれいだ。
桟道が終わり、舗装された道路をしばらく歩くと、やがて行き止まりに達した。ここから先は、川を渡らないと進めない。
しかし、この“川を渡る”方式が曲者である。行き止まりの少し手前に、幾つも端が架かっている。しかし、普通の橋は1つたりとも無い。ブランコが並んでいるような橋、足場がローラーの橋、大きな車輪の中に乗り込んで足漕ぎで進んでいく橋、握り棒につかまって向こう岸まで一気に移動する滑車――しかもこれらはすべて、有料(1~2元)なのである。
心洗われる自然の中で、この“俗”な地点はかなり浮いている。
しかし、この“俗”な地点とは逆の方向に目をやると、一際美しい山水の景色が広がっている。まさしくここは“小桂林”である。川面に浮かぶいかだも、風情があっていい――いや、あれは観光客用の遊覧いかだだ。風情があるのはあるのだが、やはりどことなく“俗”だ。
山水の美しい風景
山水の美しい風景といかだ(観光客)
まあ、ここまで来たのだから、もっと奥まで行ってみるか――不本意ながら“俗”な橋を渡って、先に進んだ。
ここからは観光客用の乗合電気自動車があるが、私はいつものように、電気自動車は利用せず、舗装道路をそのまま歩き続けた。

川幅がやや狭くなり、川辺の岩山の景色が際立ってきた。その中でも特に目立つ岩山には、それぞれ名前が付けられている。
神女峰
川辺にそそり立つ神女峰
よく見ると「神女峰」「美女石」など、女性として扱われているものが目立つ。
以前、三峡下りをした時に「漓江が女性的で自然の美しさを感じさせてくれる河だとすれば、長江・三峡は男性的で自然の圧倒的な迫力を感じさせる河だと言える」という印象を受けた。「遼南の桂林」たる氷峪溝もやはり、女性的な自然の美しさが感じられる。これらの岩山の命名も、そうした雰囲気によるものなのだろうか。

かなり奥まで歩いた気がする。脚も少々疲れたし、大連行き直行バスの最終の時間も近い。十分に自然を満喫できたので、引き揚げることにした。
先程の有料の橋が並んでいる所に、案内図があるのが見えた。自分がどのあたりまで行ったのか知りたく思い、その案内図を覗いてみた。
さっきたどり着いた一番奥の場所は――まだかなり先まで道が延びていた。それに、ここの川は船が到着した場所から2本に分かれていて、私はそのうちの1つをたどっていただけだったのだ。
何か、世界の果てまで行ったと思い込んでいたのが実はお釈迦様の掌の上を動いていただけだった、孫悟空のような気分だ。

慌しく歩き、船に乗り込んで、風景区を後にする。
何とか帰りの大連行きのバスに間に合った――と思いきや、バスは既に満席だった。仕方が無い。ミニバスでまず荘河のバスターミナルまで行き、何とかそこで大連行きの最終バスに間に合い、日帰りで戻ることができた。

大連のような都会に住んでいると、時折、大自然が恋しくなる。都会に飽きたらまたあそこへ行って、今度はもっと奥まで進みたいものだ。

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